どうぶつがかりの立ち上げに当たって

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 最近、高齢者とペットとの老々介護や、飼いきれなくなったことから保健所へ持ち込むといったニュースがよく流れます。
 いまや15歳以上の子どもよりペットの数は多く、3世帯に1軒が飼っている計算になります。また、ペットを飼おうとする3分の1近くが、実は高齢者世代。子育てが終わり、これからは大好きな動物を飼って楽しい余生を送ろう・・・最初は誰もが明るい未来を想像しています。

 しかし、人間が長寿になると同時に、犬や猫も20歳を超える長生きさんが増えています。もし60歳で飼ったら動物を看取るとき、飼い主さんは80歳かもしれません。ご自身は元気でも、連れ合いを介護するかもしれません。ペットに「長生きするんだよ」と言い聞かせていても、自分が先に逝くかもしれません。
 そして、この「しれません」がやってきたとき、飼い主さんはペットを飼いきれないことに気づきます。慌てふためき、周囲に相談しますが、思うように行かないケースが多く途方に暮れてしまいます。

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 例えば、同居していない子どもに託そうとしたらペット不可住宅だった、孫がアレルギーだった。ペットシッターを雇おうにも年金暮らしでお金がない。ヘルパーさんが自宅に来てくれたが、行政の介護サービスにペットの世話は含まれていなかった。周囲は「保健所へ持って行け(処分しろ)」と簡単に言う。
 飼い主さんもギリギリまでがんばりますが、体調が悪くなったり、家族の介護が始まるとペットのより良い将来を考え、実行に移す余力がなくなります。
 そして、どうにもならないと絶望して「処分」という最悪の選択をするはめになる。「施設に入ることになり、もう出られない」「余命宣告された」といった飼い主さんが、保健所に「処分してください」と泣きながら持ち込んで来るそうです。まるでペットと心中する心持ちです。

 高齢者の方は、自分自身のことで他人に面倒をかけていると思うと、ペットのことまで頼みにくくガマンしてしまいます。また、ペットを飼ったことがない人には理解できませんが、長年ともにくらした「大切な家族」「わかり合える相棒」なのです。
 それを引き裂かれる飼い主さん。また、温かい家庭の中で愛されて育ってきたペットの終末が冷たい処分であって良いはずがありません。

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 どうぶつがかりは、そんな高齢者の方とペットを少しでも助けるお手伝いができたらと発足しました。動物好きの人間が寄り添い、話し相手になるだけでも飼い主さんには気力が湧きます。どうか、相談やお世話に入らせていただくご理解とご協力をお願いいたします。また、このようなシステムや助け合いが私たちだけでなく、社会に広がることを願っています。

市民活動グループどうぶつがかり代表 三浦真美